このインタビューは
「2022年に8年ぶりにν[NEU]の活動をして感じた想い」
「2023年7月1日に14周年の公演を行う意味」
「解散して10年後の2024年12月29日をゴールとして活動をおこなうこと」
について話した内容となります。
ν[NEU]が2014年に解散した理由、2020年に予定されていた復活が中止になったこと、
メンバーが5人ではなく四人で活動をおこなうこと、
に関してはこちらのインタビューをご覧いただけますと幸いです。
▷2022年6月4日 四人で活動をする経緯について
▷2020年4月11日 復活中止について
▷2020年1月22日 1年限定復活について
ν[NEU]メンバー一同
2月26日、mitsu、タクミ、ヒィロ、ЯeIが集まるという場所へ赴いた。
この日集まった一番の目的は、撮影のためだったという。そこで見せてくれた写真は、4人が限りなく“今の自分”の姿で写っており、それぞれが自分の生き方を確立している今のν[NEU]を表すには納得の仕上がりで、どうやらメンバー自身もしっくり来ている様子だった。
さて、その写真は一体“何のために”用意したのか? 今回の取材では、それについて話してもらうことにした。少々長文になってしまったが、再集結した彼らが可能性を見出す中で、バンドを通して何を感じ、何を残そうとしているのかという等身大の想いに目を通していただければ幸いだ。
インタビュアー 平井綾子
――今日、皆さんが集まっているという事は、“何か”を行っていたんですよね?
mitsu 撮影をしていたんですよ。メチャクチャ良い写真が撮れたし、撮影中もアホな会話しかしていなくて、すごく楽しくて(笑)。
――それは何よりです(笑)。では、どうして新しい写真を撮ったのかという理由が、この取材の話題になりそうですね。
mitsu はい。最初に言ってしまうと、今年7月1日に新宿BLAZEで「ファン感謝祭」というワンマンを行うことにしたんです。
――なんと! それは朗報ですね。昨年12月3日のライヴで、13周年を機に行っていた期間限定の活動が一旦終了して、「次はいつライヴが観られるんだろう?」と思っていたので。
ヒィロ そのライヴが終わった後、年末に4人で集まったんだよね。
mitsu そう、29日じゃなかったかな?「いつも集まるのは解散ライヴの日だな」って話していたから。そこで、期間限定で活動してきたことに対して「どうだった?」っていう話と、「これからどうしようか?」っていう話が出たんです。
ヒィロ その前に、俺とmitsuくんが話したんだよね。何かの帰りに、「どうしようか?」って。そこで、ウチら2人は「(ν[NEU]を)やりたいね」っていう話をしていて。
mitsu もちろん、最終的なやる・やらないは4人の意志なんですけど、これまでも何かを始める時は最初の骨組みというか軌道を作るのがリーダーと俺が中心になる事が多かったんで、タクミとЯeIさんに話す前に、まずはお互いの気持ちを確認したんです。その時点で感じていたのは、ν[NEU]に関してもそうだし、それぞれの個人の動きについても話している中で、「今が楽しい」っていう感覚がすごく強かった事なんですよ。
――実際、タクミさんとЯeIさんも同じ気持ちでしたか?
ЯeI そうですね。やっぱり、楽しかったから続けられたなっていう気持ちはありました。正直、仕事の後にスタジオへ行ってドラムを叩くっていうのがしんどかった時もありましたけど(苦笑)。それでもライヴをやったら楽しかったし、3人がいてくれたことが心強かったですし。
タクミ 僕も楽しいっていうのはもちろんだったし、ν[NEU]の活動がある事が生活の一部になりつつあったんですよね。ライヴは4本しかなかったけど、その他にもスタジオに入る時間もあって、スケジュール的にはずっとν[NEU]をやっている気持ちだった。
mitsu 改めて4人で話すよりも前から、ライヴとかリハで一緒にいる時間の中で各々が自分の気持ちを口にしていたっていうのはちょくちょくあったんです。
――では、年末のタイミングで「今が楽しい・楽しかった」ったという共通の想いを再確認して、「これはまたν[NEU]をやらない理由はない」となったわけですね。
ヒィロ ただ、心のどこかで「この先もν[NEU]をやってて良いのかな?」っていう、やりたいんだけどストッパーがかかっているような感じもあったんです。僕にも美容の仕事があるように、みんなそれぞれにやるべきことがあるわけで、、
タクミ 確かに、仕事とバンドを並行していた中で「どこに100%向き合うか?」っていう自分の中でのバランスみたいな部分で、「どっちかに振り切っちゃうのもどうなんだろう?」っていう葛藤はありました。
mitsu 今、それぞれがν[NEU]以外に本気でやっている事があるのもそうだし、俺の中ではサポートでギターを弾いてくれていた夢時さんの事も気にかかっていたんです。もともと絵に描いた事ではなかったし、だからこそ“どう終わるのか”っていう事に対する葛藤があったというか。
――それぞれの生活に対しても、ν[NEU]に対しても、本気で向き合ってるからこそのストッパーだったんでしょう。
ヒィロ でも僕、この半年間で「全てはタイミング」だと思えたんです。そう思ったら、気持ちが吹っ切れたっていうか……その事で印象的だったのが、12月のライヴのMCでも話したんですけど、今まで華遊くんの事にあまり触れられない自分がいたんですよね。それは、ファンの子たちを暗い気持ちにさせちゃうかな?っていう事から、触れる事に対する罪悪感みたいなものがあったからなんですけど、「華遊くんが来られなかったのはタイミングが合わなかっただけ」って思った一方で、「4人がステージに立てたのはタイミングが合ったから」って、それでいいんじゃないかなって思えたんです。タイミングが合って楽しい事が出来るんだったら、それでいいんじゃないかって。そんなことを思いながらライヴをしていたら、解散ライヴでも泣かなかったのに涙が止まらなくなっちゃって。
――その姿を見た時に、どこかヒィロさんがそのライヴが終わる事に抗っていたいような様子にも受け取れたんです。
ヒィロ 自分でも、「なんだろうこの感情?」ってすごく不思議な気持ちでした。解散の時は答えを出すまでにたくさん泣いたし、解散当日は散々悩んで出した答えをちゃんと昇華させようっていう気持ちが強かったから泣けなかったんです。でも12月のライヴはタイミングが合ってステージに立てている奇跡を感じられて、「これをどうやったら続けられるんだろう?」って思っちゃったんです。リーダーっていう立ち位置で、常に凛としてないといけないって強がっていたところもあったんですけど、12月のライヴでν[NEU]の解散を決めた時からずっと背負い続けてきた十字架から解放されたというか、バンドの安らぎみたいなものも感じたんです。ライブ中に泣いている時にmitsuくんからポンポンってされた時に、「あ、もう気張らなくて良いんだ」と思えて、「今後どうするか」ってフラットに考えられるようにもなったんです。美容業は「誰かのため」にやっているからこそ、音楽は「自分のためにやりたい」って改めて思ったし、自分のための場所がある事にも気づかされたというか。
mitsu 今のリーダーの話とか、さっきЯeIさんが言っていた「3人がいてくれたことが心強かった」っていう事を俺自身も思ったことがあって。ν[NEU]とソロが同時進行していく事になるってわかっていたから、ちゃんと両立させたくてソロの活動もしっかり押し出しながら動いていたんですよね。その間にユナイトのサポートヴォーカルの話もあって、ここ数年なかった“バンド”っていう集合体の中で歌う事がいきなり増えたんですよ。片方だけから見ていると、どうしてもないものねだりで「バンドが良いな」「ソロの方が良いな」って思う時期もあったんですけど、この期間でメンバーがいる事の大切さっていうのも改めてν[NEU]で感じられたんですよね。
ヒィロ ちょうど12月のν[NEU]のワンマンの翌日に、僕、初めてmitsuくんのソロライヴを観たんですよ。何回も観に行こうと思った事はあるんですけど、見るのが怖かったんです。目を背けてたんですよね、認めてしまうのが怖かったというか。
――mitsuさんがν[NEU]以外で、ソロで歌っているという現実を?
ヒィロ そうです。でも、実際に見た時に単純に誇らしかったんです。「この人とバンドやってたんだ……あ、バンドやってるんだ、どっちなんだ?」みたいな(笑)。その時すごく嬉しくなってしまって、客観的に「mitsuくんってステージではこんな感じだったんだ」っていう一面を知る事が出来たことも、また一緒にやりたいって思うきっかけでもあったかもしれない。
――この期間に感じた事全てが、今のν[NEU]の原動力になっているんだっていうことを痛感しますよね。
mitsu そう。とにかく、「楽しい・楽しかった」って素直に言えたっていうのが大きかったですね。あと、個人的には「ν[NEU]が楽しかった」っていうよりは、「今のこのメンバーといるのが面白かった」って思ったんです。久しぶりに集まった安心感もあるかもしれないけど、みんながちゃんと自分の足で立って進んで来たからこそ、今ν[NEU]が必要なんだなって。
――2014年の解散以降、全員が自分の足で進んで来たっていうのは、間違いなく今のν[NEU]にある付加価値ですからね。
mitsu 俺は確実に今のメンバーの方が好きですからね。みんな今をちゃんと生きていて、今の方がかっこいいって思える。きっと、そうじゃなかったら誰かがν[NEU]に縋る事になっていたと思うんですよ。でも、絶対にそうはしたくなかったし、ちゃんと自立しているからこそ「この4人でやる。じゃあ、ν[NEU]でよくない?」っていう感覚が強いので。
ヒィロ むしろ、それぞれちゃんと自分の軸になる生活があって、それでも集まりたいっていう事は、本当にν[NEU]をやりたいんじゃないかなって。
mitsu すごく絶妙なバランスで成り立っている関係だと思うんですよね。それが心地さにも繋がってると思う。
ЯeI 今のメンバーとは、すごくフラットでいられるんですよ。尊敬出来るからやっていても楽しいし、だからこそν[NEU]を続けたくて。
タクミ 自分も、考えるよりも「やりたかったらやる、やりたくなかったらやらない」っていうスタンスなので。それは仕事もそうですけど、やりたい事をやっているっていう、そこに変わりはないですね。
mitsu 確かに。「やりたい」って思っている事に、すごく価値があるよね。
――ここまでで、再び7月1日にν[NEU]がライヴを行う理由は十分伝わったと思います。
ヒィロ 14周年のアニバーサリーワンマンのテーマは、タイトル通り「ファン感謝祭」なんですけど、今回は感謝だけじゃなくてちょっと「攻めたいな」と思っていて。それも踏まえて、一人でも多くの方に見てほしいから無料公演にしました。
mitsu うん、わかる。もともと、13周年のテーマ的には「4人でゴールするために出来る事をやる」っていう、維持することが軸にあったと思うんです。それに、メンバーも久々に会うし、ν[NEU]フリーク(ファン)も含めて同窓会のように会える場所を作るっていう感覚が強かったので、攻める事は必要なかったんですよ。だから以前やっていた事を再現するに近かったんですけど、「ずっとそれを続けていても楽しくないんじゃない?」っていう感覚が生まれて。やるからには、自分たちがワクワク出来る事がいいよねっていう話はしてたよね。
ヒィロ うん。今回は、“ゴール”をこのインタビューで伝えようと思っていて。
――ゴール、ですか。
ヒィロ はい。2024年12月29日で、解散して丸10年なんです。そこをゴールにしようと思っています。僕らは一度バラバラになったわけで、その日から10年後となる今回定めたゴールを「メンバーとファンの子たちは、どういう気持ちで迎えるんだろう?」っていう期待と、ただやり続けるよりもみんなで決めたゴールがあった上で、熱を持ってやっていきたいと思っているんです。
mitsu いつまでも同窓会の雰囲気というか、このまま安定を望むなら、今更やる必要のないバンドなんですよ、ν[NEU]は。でも、チャレンジがあってこそν[NEU]だと思うし、困難とか刺激に立ち向かうとか、ミッションみたいな事があってこそバンドのかっこよさや輝きがあると思うんです。だから、俺らがゴールに向けて必死になっている姿を見せたいんですよ。
――もう、“記念復活”みたいなものではなくなってきていますね、今のν[NEU]は。
mitsu そうなんです。ずっと勝ちゲームみたいなことをするなら、ν[NEU]じゃなくてもいい。
ヒィロ 今回のゴールを考えてた時に、コロナ禍とその後ではエンタメに対する意識がちょっと変わったなって感じたんです。前よりもエンタメが現実化してきたというか、夢を与える人たちもどんどん現実味が増してきた。
mitsu リアリティを増したよね。みんなプライベートの話とか、俺らにとっては華遊くんの話もそうだし、全てリアルというかありのままに近くなったというか。
ヒィロ でも、それって「希望」だと思うんです。今の時代にあった希望。僕らも「あと何回ライヴが出来るか」って考えるし、ファンの子たちも「あと何回ライヴに行けるか」って考えだしたと思うんです。僕はそこに単に悲しさよりも、儚さを感じたんです。だから、リアルで会えることに対するタイミングとか、そういう場所がある事自体がミラクルだなと思ったんですよね。
――まさに、コロナ禍ではみんなが平等に「当たり前が急に終わるかもしれない」という事を味わったと思うんですよね。その反動の1つが「やれる時にちゃんとやろう」みたいな、瞬間的なエネルギーを再確認することでもあった気がします。
mitsu 今までもそういう事を言葉にしていたし、わかっていたつもりだったけど、リアルではなかったですからね。音楽に対しては人それぞれ考え方があると思うんですけど、続ける事も大事だけど、この瞬間を生き抜く事とか今をメチャクチャ必死にやった結果続いているっていう事が音楽だと、今の自分は思っているんです。だから、ある意味ν[NEU]の未来を感じていないんですよ。それはネガティブな意味じゃなくて、今までは当たり前に未来を見てたけど、それよりも今しか感じていないんです。俺らが「ν[NEU]をやりたい」って思っているタイミングが合ったこの瞬間が奇跡だと思うし、せっかくもらったチャンスだとも思っているので、そこにやれる選択肢があるなら全力を尽くしたいと思っているんです。
ヒィロ 華遊くんにも今回活動をすることを伝えました。華遊くんとは今はタイミングが合わなかっただけで、僕も、「ν[NEU]をやりたい」っていう使命感みたいなものじゃなくて、「このメンバーと一緒にやりたい、それがν[NEU]だった」っていうかなりナチュラルな感情に初めてなっているんです。それに、ゴールが見えているからこそ、ワクワクしていて。
mitsu そうだね。“終わっちゃう”っていうんじゃなくて、「終わる前にとことんやり尽くそうぜ!」みたいな感じ。
ヒィロ 「どうせ終わるから」って自暴自棄になるんじゃなくて、「終わるからこそ、楽しくやろうよ」っていう気持ちですね。
タクミ 自分的には、解散するまでの流れっていうのは結構ガムシャラだったからあんまり噛みしめられていなかったんですけど、その時よりも今回は気持ちに余裕があると思うんです。人間的な意味も込めて、1本1本ちゃんと楽しめている状態で今回の“ゴール”を迎えられるっていうのは良いなと思っていて。
ヒィロ きっと、メンバーそれぞれの環境がある中でバンドをやる事に対してのやり方とか、折り合いみたいなものがわかってきたことによって、以前よりも自信が持てたと思うんですよね。
mitsu 俺たちは一度復活が中止になっているし、今回は不安から始まってないよね。「しなきゃいけない」っていうのもないし、ただただ「やりたい」っていう気持ちが強い。希望とか望みの方に近いなって、すごく感じるかな。今話していて思い出したんですけど、俺とタクミと華遊くんが加入した時も、「2年でメジャーへ行けなかったら解散する」ってリーダーが言って、集まったんですよ。
――そんなエピソードがあったんですね!
mitsu そうなんです。だから俺、やろうと思ったんですよ、「面白い」と思って。じゃあ2年間だけν[NEU]にかけようと思ったし、結果1年半後にメジャーが決まったんですよね。その時の感覚に似ているかもしれない。ただ、あの時とはまた違う状況でスタートしていくわけだから、自分でも未知の領域を経験するっていう意味でもワクワクしています。
ЯeI あと、ファンの子たちの声もまだ聞いてない。
一同 そうだ!!!
ЯeI きっと、次にライヴをやる時にはそれも叶うんじゃないかなと思っていて。早くライヴでファンの子たちの声が聞きたい。
ヒィロ どんどん欲が出ちゃってるよね。「まだ見ぬ景色が見たい」みたいな欲が出て来てる。そういう気持ちになれるのもすごいことだなと思うんです。
mitsu 音楽には、そういう力があるよね。
ヒィロ 僕たちはボーカルが現役だったからこそ、今またν[NEU]が出来たっていうのもあると思うんです。mitsuくんはν[NEU]の解散後もソロでずっと歌ってきたから説得力が違うし、当時とは比べものにならないくらいν[NEU]の曲が進化している。
mitsu ソロもν[NEU]も、絶対に今の俺の方がいいライヴが出来る自信はある。メンバーが不安な時は「大丈夫」って言ってあげられる自信もあるしね。
ヒィロ mitsuくんの歌の表現が変わったからこそ、当時では表現しきれなかった曲が今しっかり表現出来てると思うし、バックで演奏していてもそれがすごく楽しいんです。
mitsu 曲に追いついた気がするよね。「APOLLON」とか最高じゃん!って、今はすごく思う。
ヒィロ そういうのも、「このメンバーで音楽をやりたい」って思える理由なんだと思うんです。僕、もうν[NEU]以外でベースは弾かないと思います。人生最後の音楽の場所と言うか、そういう場所ってなかなか作れるものじゃないし、欲しがって得られるものじゃないと思うから、そう思える場所があるっていうのはとても幸せです。
mitsu きっと、活動していた当時メチャクチャ頑張っていたメンバーもそうだし周りの人も含めて、一緒に必死でやったおかげで、今この未来が待っていたんだなっていうのは今だからこそ実感するよね。
――今までの過程でどれか一つでも抜けていたら、今のν[NEU]はなかったでしょうからね。
mitsu ゴールを定めた今、目の前のことをコツコツやっていった上で、その先に何が待っているか自分たちでもまだわからないので。まずは、7月のBLAZEに向けて必死にやっていくだけですね。
ヒィロ 今の時代の「希望」になりたいと思っています。年齢と共に、何かを犠牲にして優先順位を付けたくなる気持ちはわかるけど、夢を諦めないことを伝えたいです。
――やはり、“希望”というのはν[NEU]の永遠のテーマなんだと思います。ここからまた“ゴール”に向かっていくわけですけれど、メンバーはそのチームメイトでもありますよね。今日は最後に、今のメンバーは皆さんにとってどういう存在なのか、それぞれの今の価値観で教えてもらいたいと思います。
mitsu 俺は、“面白れぇヤツら”って思ってます。「アイツ、マジで面白いんだよね」って友だちに紹介するような、そんな感じですね。でも、こんな風には活動当時は思っていなかったです。
――それは、何故でしょう?
mitsu 俺自身が自分ばっかりだったし、ある意味ν[NEU]は“やらなきゃいけない事”の1つでもあったからメンバーともギクシャクしていた時期があったし、ハッキリ「嫌い」って言ってた時期もあるし。でも今は、自分から遊びに誘っている感覚に近いというか、昔の事も知っている友だちであり、一緒にいると面白い事が出来る信頼関係がある仲間みたいな感じかな。
ヒィロ 僕の場合は、“恩人”ですね。僕のエステサロンの名前「DearLily」は、“Lily”っていうν[NEU]のファンクラブの名前と、「Lily」っていうファンの子達に向けた曲名から取ったんですよ。独立して自分1人でお店を作る時に、僕を形成してくれた原点を考えたんです。もちろん、過去に組んでいたバント達もそうだけど、やっぱり一番強く自分を形成してくれたのはν[NEU]だと思って。ν[NEU]がなかったら今の美容の仕事はやっていないし、メンバーやν[NEU]は解散した後も自分を救ってくれた恩人たちなんです。そんな恩人たちと再会出来るなんて、僕はすごく幸せ者だと思ってるんです。だから一緒にやる以上は全力でやりたいし、僕はベースがそんなにうまくないかもしれないけど、ν[NEU]の曲を伝えるのは僕が一番上手いと思うので。やっぱり曲って思いだから、その思いを一緒に伝えられるのはこのメンバーしかいないからこそ、恩人たちと一緒に自信を持ってまた1つ夢を追いかけてる感じですね。
ЯeI 僕は、“尊敬”かな。尊敬するメンバーと楽しい事を一緒にやりたいと思っているし、逆に尊敬もされたい。だから頑張ろうとも思える。
――ではタクミさん、トリをお願いします!
タクミ 真面目に、このメンバーが集まる場所は“ネタ見せの場”だと思ってるんですよ。
――ネタ!?(笑)
タクミ そう(笑)。この環境、僕が何しても笑ってくれるんです。逆に、「普通、心配するだろう」っていうような内容でも笑い飛ばしてくれるからちょっと悲しい時もあるけど(笑)、それで気持ちが晴れる事もあるから、自分にとっては「本当に必要な場所」なんだと思っています。
mitsu 今聞いていて思ったけど、各々が自分にとって大事なものとリンクしている気がしますね。俺は人生で「楽しい」を一番大事にしてるし、それぞれが人生の中で大事にしている事がν[NEU]にハマってるし、詰まってるんだなって思いました。
ヒィロ ファンの子達にとっても、そんな「楽しい場所」を解散して10年後の2024年12月29日まで届けることが、いまの俺たちν[NEU]の目標です。