2014年12月29日の解散から丸5年となる2019年12月29日、ν[NEU]がバンド活動を再開することを発表した。2020年6月1日のZepp DiverCity公演を皮切りに、メンバー各々が現在の生活と両立する形で展開していくという今回の復活。再始動のキッカケや全貌が謎に包まれている活動内容について、発表翌日の5人にじっくりと話を聞いた。
<覚悟をしたつもりだったけど、やっぱり、ギターはずっと手放せなかった――タクミ>
■ν[NEU]の復活がついに発表されました。おめでとうございます!
一同「ありがとうございます!」
■とはいえ、ほとんどのメンバーが音楽から離れた生活をしていて、その現状を知らない方も多いと思うんです。だからまずは、みなさんが現在どんな生活をしているのかを教えてください。
mitsu「この中で表立って音楽を続けているのは俺だけなんですけど、俺は今、mitsuという名前でソロとして活動しています。本当はν[NEU]を解散した後も、またバンドがしたかったんですよ。でも、バンドをやるからにはメンバーと同じ墓に入るくらいの気持ちでやらないと嫌だと思っているから、なかなか組めなくて。ステージに立ちたいのに立てないという状況に、精神的に病んだこともありました。それが4年前、いろんな人に助けられる中でソロとしてやっていく決意をして。今は、自分1人でどれだけやれるのか?を試すために、サポートしてくれている仲間と一緒に走り続けています」
タクミ「自分は解散した後も芸能事務所に入って、しばらくはギタリストとしての夢を追いかけていたんですけど……じつはある時、親が病気になって、結構高額な治療費がかかることがわかったんですよ。しかも、ウチの家族は兄妹が多くて、その中だと、自分は長いこと自由に好きなことをやらせてもらっていたんですよね。だったら、2年くらいは夢を諦めて家族に恩返しをしよう、と。最短ルートで目標金額を稼げる仕事を考えた時に、ホストしかないなと思って、今はホストクラブで働いています」
■でも、ホストの宣材写真もギターを持っていて。
タクミ「うん……覚悟をしたつもりだったけど、やっぱり、ギターはずっと手放せなかったですね(苦笑)。だから、ホストをしながら、ギターの先生もやっていたりして。今回の復活も、1年限定ではありますけど、久しぶりにみんなの前でギターが弾けるのを楽しみにしています」
■一方、華遊さんは、現在は福島県に住んでいると伺いました。
華遊「そうなんです。もともと福島出身なんですけど、今年の5月に福島に戻りまして……ザックリ言うと、世の中に貢献する仕事をしています!」
華遊以外の4人「おお~!」
華遊「ふふふ。天職というか、ν[NEU]以外にも自分に合う仕事を見つけて、今は楽しく働いていますね。あとは、バンドをやっていた時には時間的にできなかったことがたくさんあったので、そういうことにも挑戦しています。じつは今日、5年ぶりにこの5人でスタジオに入ったんですよ。解散した後も、セッションでν[NEU]の曲をやったりしていたんですけど、この5人でν[NEU]の曲を演奏して……ようやく、ν[NEU]が帰ってきたなって実感しました。ただいまキラリンパっ☆(照笑)」
■リーダーのヒィロさんは、小顔&痩身サロン『Lily』のオーナー兼エステティシャンとして活躍中です。ヒィロさんに関しては、ファンの方も現状を知っている方が多いかもしれませんね?
ヒィロ「そうですね。僕も華遊くんと同じで、ν[NEU]とはまた違った天職を見つけたなと思っていて。僕の場合はν[NEU]をやっていた時から“美容が好き”って言い続けていたんですけど、それを今は本職にしています」
mitsu「開発したコスメが楽天で1位をとりました!って、言わなくていいの? (笑)」
ヒィロ「そういう宣伝はいらないんだよ!(一同笑)でも、そうやって今も夢を追い続けています」
■そして、ЯeIさんの現在のお仕事は……。
ЯeI「このインタビューをおこなっている場所、Neues(ノイエス)という飲食店のオーナーですね。オーナーと言いつつ、自ら手料理を振る舞っています」
■ЯeIさんも、当時から料理が好きだと話していましたよね。
ЯeI「そうですね。バンドをやっていた頃から、いつかファンのみんなに自分の手料理を食べさせたいなと思っていました」
ヒィロ「みんなにカレーを食べさせたいって、よく言ってたもんね」
ЯeI「そうそう。でも、店を出した理由としては、バンドを解散しても、ν[NEU]に関わってくれたみんなが集まれる場所がほしかったっていうのが大きくて。その結果、こうしてNeuesに気軽に5人が集まるようになったって思うと、感慨深いものがあります」
<復活の発表をした瞬間に、ずっと背負っていた十字架を下ろせた感じがあった――ヒィロ>
■そんなバラバラな人生を歩んでいる5人が、また足並みを揃えて活動していくと思うと、不思議な感覚がありますね。それぞれ、復活発表の瞬間はどんなふうに迎えたんですか?
ЯeI「それこそ、俺はNeuesでお客さんと一緒に迎えたんですけど……みんな、泣いちゃいましたね」
mitsu「そうなんだ?嬉しいね。それに対して、ЯeIさんはどういうリアクションをしたの?」
ЯeI「俺?カウンターに隠れてた(一同笑)」
mitsu「なんでよ(笑)」
ЯeI「ツイッターを更新しなきゃ、と思って(笑)。でも、半年くらい前からずっと言いたかったことなんで、やっと言えてホッとしました」
タクミ「俺もちょうど、ホストクラブの営業中でした。でも、こっちは意外と生の反響がなかったので、ちょっと寂しかったですね。ツイッターでの反響ももちろん嬉しかったんですけど、リアルタイムでもキャー!って言われたかったなって(笑)」
mitsu「でもさ、タクミの場合、ホストとしての源氏名が“つばさ”だから、解散後にタクミがホストになったことを知らない子も多そうだよね。つばさの存在は知っていても、同一人物だって一致してないんじゃない?」
タクミ「あはは、そうかも。そのせいか、復活以前に、久しぶりに俺の顔を見たっていう人が多かったみたいで、そういう反響が多かったなって思います」
■その時、華遊さんは何をしていましたか?
華遊「職場の忘年会の真っ最中でした(一同笑)」
■まさか、華遊さんの口から“職場の忘年会”というワードが出る日が来るとは……。
ヒィロ「こんな未来、想像もつかなかったですよね。おもしろいなぁ」
華遊「想像しないで!(笑)でも、それくらい変わってしまうほど、5年って結構長いじゃないですか?それなのにこんなにたくさんの反響をもらえたので、驚きましたね。まだν[NEU]を待っていてくれている人がいるんだ!って思ったら、すごく嬉しかったです」
■ヒィロさんは?
ヒィロ「僕は、復活の発表ツイートをするために、昨日は仕事を休みました。ツイートをする瞬間は手が震えましたね。死ぬんじゃないかな!?っていうくらい、心臓もバクバクしてて……」
華遊「わかります!」
mitsu「わかります!って、華遊くん、忘年会してたじゃん(一同笑)」
華遊「あははは」
ヒィロ「華遊くんの心臓のバクバクは、お酒のせいかもしれないけど(笑)。そもそもν[NEU]の解散って、メンバー発信じゃなくて、当時のマネージャーさんがツイッターで発表したんですよ。で、マネージャーさんが発表の数日前から“毎日悪夢で起きる”って言っていたのが、すごく印象に残っていたんですよね。発表の日を間違ったんじゃないか?って怖くなるって。その感覚を僕も味わいましたね。発表の前日も、仕事終わりにmitsuくんと2人でギリギリまで最終確認をしていたし、その上でやっと発表できたので、反応が返ってきた時には不思議と涙が出てきました」
■それはどういう涙でしょう?
ヒィロ「安堵の涙、なのかな?ν[NEU]を解散して後悔したことは一度もないんですけど、それでも、ファンのみんなを裏切ってしまったっていう気持ちはずっとあって……この5年間、そういう罪悪感を背負い続けてきたんですよね。でも、復活の発表をした瞬間に、ずっと背負っていた十字架を下ろせた感じがあって。いろんな感情が押し寄せてきて、思わず泣いちゃいましたね(照笑)」
mitsu「やっぱり、複雑な感情になるよね。俺はソロとしてずっと活動してきたから、正直、ν[NEU]だとこんなに反響があるんだ?っていう悔しさみたいなものもありました。でも、なによりも、自分達が決めた復活に対して多くのリアクションをもらえたことに嬉しく思いましたね」
■mitsuさんは、発表当日、mitsuとしてトークイベントをおこなっていましたね。どんな気持ちでファンの方の前に立っていたんですか?
mitsu「復活を発表する前に、まずは今のmitsuを応援してくれているお客さんに自分の素直な気持ちを伝える機会を作りたいと思って、イベントをさせてもらいました。と言っても、復活の情報が解禁される前だから、発表についての話はできなかったんですけど。今回の発表によって、今までとはまた違う変化が起きるかもしれないけど、今までもこれから先もいつも支えてくれているみんながいるお陰で自分は今もステージに立っていられるし、この関係はこれからも守っていくって。だからその発表も、今まで通りちゃんと自分で選んだ道だし、一緒に楽しんでくれたら嬉しいなって、直接顔を見て伝えました」
■発表前に直接mitsuさんの気持ちを聞けた方は、すごく安心したと思いますよ。ソロのmitsuは完全に自主だけど、かつてのν[NEU]はメジャーバンドだったわけで、ソロを応援している方からすると、体制がガラッと変わって、望まない方向に向かってしまうんじゃないか?っていう不安が少なからずあると思うので。
mitsu「そうですね。でも、今まで通り、2020年もソロはやり続けるし、ν[NEU]も事務所ではなくて自主でやっていくので、俺自身が選んだ道を信じてほしいですね」
ヒィロ「うん。今までは事務所もあったし、メジャーにいた期間も長かったから、他の人が用意してくれたものに対して全力で打ち返すっていう活動をしてきたんですけど、今回はメンバーの意志をそのまま活動に反映できるように、本当にイチから5人で考えていますからね。復活するにあたって、メジャーのお話もいただいたんですけど、メンバーファーストで活動できる道を選びましたし、メンバーそれぞれが大事にしているものを共有していきたいと思っています」
<今振り返ると、不思議な再会だったなって思います――ЯeI>
■そもそも、ν[NEU]をまたやることになったのは、何がキッカケだったんですか?
mitsu「2019年の6月の頭くらいに、かつてν[NEU]が所属していた事務所(LOOP ASH)の社長、未散さんが入院しまして。お見舞いに行った時に、病床の未散さんから“LOOP ASHの20周年を記念してイベントをやりたいと思ってるから、ν[NEU]も出れないかな?”と相談を受けたのが始まりでした。ちょうどその日の夜に、ЯeIさんとご飯に行く予定があったので“未散さんからこういう話があったんだけど”って話したんですよ。そしたら、酔っぱらったЯeIさんが“ヒィロくんも呼ぼう”って言い出して、急遽深夜に3人で会うことになりました」
■ということは、ЯeIさんとヒィロさんは、解散後も交流があったわけですか。
ЯeI「そうですね」
mitsu「俺もЯeIさんとはよく会ってました。ただ、解散してからの約5年、じつは俺とヒィロさんは全く会っていなかったんですよ」
■えっ!もしかしてν[NEU]の解散原因って、ヒィロさんとmitsuさんの不仲ですか?
mitsu「今の話の流れだと、そう思っちゃいますよね(笑)。でも、俺らって解散するまでは相当仲が良くて。解散したのも、本当に“この5人でできることを全てやりきった”っていうのが理由なんですよね」
タクミ「その時の5人の可能性に、限界を感じちゃったんだよね」
mitsu「そうそう。だから、解散するまではメンバー同士上手くいっていたんですけど、解散した後の活動に関して、ヒィロさんと俺の考え方がズレてしまって……。ヒィロさんも他の3人と仲良かったし、俺も3人と仲良かったんですけど、ヒィロさんと俺は最近まで距離がありましたね」
■それも、これまでに1度もν[NEU]の復活が話題に上がらなかった理由なんでしょうね。
ヒィロ「そうですね。でも、僕とmitsuくんのぎこちない関係を見兼ねたЯeIさんが、“この機会にお互い思っていることを言いなよ”って引き合わせてくれて。それが、5年ぶりにメンバー5人が顔を合わせるキッカケになりました」
ЯeI「今振り返ると、不思議な再会だったなって思いますね。だって、ヒィロくんを呼んだのって深夜1時くらいですからね?呼んでおいて勝手な話ですけど、さすがに来ないだろうなって思っていました。2時くらいにヒィロくんが現れた時、“なんで来たの?”って言っちゃったし(笑)」
ヒィロ「僕も、普段だったら夜は絶対に出歩かないタイプだしね。なんていうのかなぁ……虫の知らせ?(笑)」
mitsu「誰も死んでないわ(一同笑)」
ヒィロ「いやでも、その時はなぜか行かなきゃいけない気がして。翌日も朝から仕事が入っていたんですけど、急いでタクシーに飛び乗りました」
■なんかドラマティック!
mitsu「あははは。で、6月の下旬に改めてヒィロさんと俺の2人で会った時に、“そういえば、今年って解散してから何年だっけ?”って話になったんだよね?」
ヒィロ「うん。そこで初めて、“解散して5年だから、今年の7月1日で結成10周年じゃない?”ってことに気づいて。復活の話もチラついてはいたんですけど、タクミと華遊くんには僕とmitsuくんが会ったことすらまだ話していなかったから、まずは“10周年を記念して、ツイッターで発信してみよう”っていうところから動き出しました。実際に5人で復活に向けて話をしたのは、その話をしたすぐ後ですね。7月に入ってから、このNeuesで5年ぶりに5人が揃いました」
■タクミさんと華遊さんは、久しぶりの再会で復活の話が出た時、どう思いましたか?
タクミ「自分は、集合がかかった時点で“復活の話かな?”って感じていたので、身構えて行きましたね」
mitsu「あっ、そうなんだ。気づいてたの?」
タクミ「うん、絶対その話だろうなって思った(笑)。でも、仕事もあるし、どのくらいの規模でやるのかな?とか、復活したところで自分は何がしたいんだろう?とか、不安要素が多かったので、最初は反対派でした」
ヒィロ「ある意味、タクミが一番現実主義だよね」
■タクミさんは、背負っているものも大きいから。
タクミ「そうですね。だから、その時は単純に“楽しい会でした”みたいな感じで終わって、復活の話は一度持ち帰りました。でも、ν[NEU]として過ごした日々を振り返ったり、中心になって動いてくれていたヒィロさんやmitsuくんと話す中で、徐々に気持ちが動いていって。7月中に再度5人が揃った時には、5人全員が復活するつもりというか、環境上の問題はたくさんあったんですけど、それを解決するために前向きに話をしていたなって思います」
mitsu「タクミの場合、1回目に会った時は“絶対やらない”っていう感じだったけど、2回目の時には“これだったらできるけど”っていう提案をするようになってたよね。全然違うタクミがいた」
タクミ「そうだね。俺は0か100しかないんで」
ヒィロ「昔からタクミはそういう性格なんですよ。やるならやる、やらないならやらないって、ハッキリしてる。だからこそ、“やらない”って言い張るタクミの気持ちを変えるのは難しいなと思っていて。それが“やる”って言ってくれたから、すごく嬉しかったです」
華遊「逆に僕は、解散してからも“メンバーで集まろうよ”って度々言っていたし、いつでも復活できるくらいの熱を持って、この5年間を過ごしていたんですよ。でも、みんなが今の生活を充実させているのを見て、踏ん切りをつけて。ちょうど5月に福島に引っ越したばかりだったんです。なので、“ほう、このタイミングですか”っていうのが、素直な感想でした(一同笑)」
■断ろうとは思わなかったんですか?
華遊「最初はイベントのために1日だけ復活するっていう話だったから、1日くらいならなんとかなるかな?って思いましたね。でも、その後で1年間継続してやろうっていう話が出た時は、距離の問題もありますし、僕が足を引っ張っちゃうんじゃないかっていう不安があったので、“継続するなら、僕のパートはサポートを入れてください”って伝えました」
■サポートを入れるって、誰が華遊さんのラップやダンスを再現するんですか!
mitsu「本当にそうですよね(笑)。それに、華遊くん以外の誰かが欠けたとしても、この5人が揃わないなら意味がないので。俺達はν[NEU]がやりたいんじゃなくて、この5人でバンドをやりたいからν[NEU]を復活させようっていう話なので、華遊くんから“サポートで”って言われた時に“誰かが絶対にやらないなら、ν[NEU]の復活はやめよう”って言ったんです。でも、みんな、ν[NEU]をやりたくないわけじゃなかった。だから、8月くらいからは、1年間活動するための環境を整える作業というか、また5人でやるためにはどうしたらいいのか?を具体的に話し合うようになりました」
<安心して他の4人に任せられるようになった――華遊>
■そしてその中で、華遊さんが無理なく活動できる策が見つかった、と。
華遊「そうですね。で、僕も“復活を受け入れましょう!”と……」
タクミ「受け入れましょうって、仕方ない感じが出てるじゃん(一同笑)」
■きっと、mitsuさんの圧がすごかったんですよ。グイグイ系だから(笑)。
mitsu「いや、“絶対復活するぞ!”なんて一度も言ったことないですからね?俺、そんな圧かけてないでしょ!?(一同笑)」
華遊「あははは」
ヒィロ「むしろ、僕とmitsuくんとЯeIさんで話している段階では、復活は現実的じゃないって話だったよね」
mitsu「そうそう。とくに俺は、7月にLIQUIDROOM公演を控えていてテンパってたから、あの時は復活どころじゃなかったし。今振り返ると、LIQUIDROOMが終わった後ならまだしも、よくあのタイミングで会ったなって思うんですよ。でも、7月に5人が再会した時、5年ぶりに揃ったのに、家族でも友達でもないんだけど、すごい近い感じがして。息もすごく合うんですよ。とくに俺はソロを4年間やってるから、“ああ、これがバンドをやってきたメンバー同士の空気感なのか”って、懐かしさみたいなものも感じて。そこから復活を意識するようになりました」
ヒィロ「わかる。そこでしっくり来たのは大きかったよね。僕もそれがあったから、今の5人なら復活できるかもしれないなって思い始めたし、あの日は特別な感じがあった」
mitsu「なんだかんだ華遊くんも福島から来るくらいだしね。運命的なスピードでここまで進んできたなって思います」
■でもそれって、もしも5人の再会の場所が普通の居酒屋だったら、また違ったんじゃないですか?Neuesだからこそ、グッと近い距離で話せたり、集まりやすかったんじゃないかなって。
一同「たしかに!」
ヒィロ「そう言われるとそうですね(笑)。ЯeI さんがNeuesを作って、みんなが帰ってくる場所を守り続けてくれたから、復活できたのかも。ЯeI さん、ありがとう」
ЯeI「ふふ。みんなの居場所を作りたいっていうのは、バンドの解散が決まった頃からずっと言い続けていましたからね。それがν[NEU]を復活させる一因になったと思うと、俺も嬉しいです」
■ちなみに、ЯeIさんが一番音楽から離れていたと思うんですけど、ЯeIさんは5人でスタジオに入ってみてどう感じましたか?
ЯeI「華遊くん以外の4人は、先に2回一緒にスタジオに入っていたんですけど、その時は自分のことでいっぱいいっぱいで、それどころじゃなかったですね(笑)。でも、さっき華遊くんが言ったように、俺も、5人で音を合わせて初めてν[NEU]の復活を実感した気がします。あと、昔だったら、mitsuくんが“ЯeIさん、リズムが遅いからもうちょっと早く”って言ってたところを、復活が決まってからは“みんながЯeIさんに合わせればいいよ”って言ってくれて。その言葉を聞いて安心しました」
華遊「ふふふふ」
■どうしました?
華遊「解散前、mitsuくんのЯeIさんへの当たりが結構強かったなって思い出して(一同笑)」
mitsu「音に関して言うと、ヴォーカルとドラムは一番密接だから、お互いの意見がぶつかることが多かったんですよ(笑)」
ЯeI「解散してからもしょっちゅう飲むくらい、仲は良いんだけどね」
mitsu「そうそう。でも、復活の話をした時、ЯeIさん以外のメンバーも“ソロで活動しているmitsuくんの足を引っ張らないかな?”って、不安だったみたいで。あの頃の自分はみんなにそう言わせてしまう自分だったのかな?って思っちゃいましたね(苦笑)」
■個人的にも、昔のmitsuさんはもっと尖っていた印象があります。こんなにフレンドリーじゃなかった(笑)。
mitsu「あはは。ガキみたいな言い方ですけど、昔はフロントマンとしてナメられちゃいけないって気持ちが強かったんですよね。今だから言えますけど、事務所からも、メジャーになってからも“孤高の存在になれ”って言われ続けていたし。最初は意識的にそうしていたはずが、いつの間にか普段からそういう自分になっていたのかもしれないなって思いますね」
ヒィロ「僕も仕事をするようになって、変わった部分があると思うけど、mitsuくんもソロを経験してずいぶん変わったよね。丸くなったわけではないんだけど、大人になった」
タクミ「みんな、人生を音楽に賭けるギャンブラー気質なところは変わらないなって思うし、変わらないからこその居心地の良さも感じるんだけど、成長したなって思いますね」
華遊「それに、さっきはmitsuくんをいじっちゃったけど(笑)、あの頃は、全員がぶつかり合うというか、足し算みたいな関係だったんですよ。でも今は、気持ちに余裕ができたことで、“この件はこの人に任せられる”っていうふうに、安心して他の4人に任せられるようになったなって思います」
<カッコいいものを全力で届けて、かつてのν[NEU]を越えたい――mitsu>
■では、ここからは今後の活動について詳しく伺っていこうと思います。実際に活動が始まるのは2020年6月1日のZepp DiverCityからなんですが、なぜこのタイミング、この場所で再始動することを決めたんでしょうか?
タクミ「さっき俺は“0か100しかない”って言ったんですけど、他の4人も、バンドに関しては結構そういうタイプなんですよね。みんな、ポジティブだし。だから、復活っていうと過去のイメージが強いかもしれないけど、俺らは過去ならやらなくてよくない?昔と同じなら、復活する必要はなくない?って考え方で。じゃあ、“当時のν[NEU]がラストライブをやった渋谷公会堂以上のキャパでやるしかないよね”ってことで、Zepp DiverCityに挑戦することにしました」
mitsu「それで、Zepp DiverCityを最短で押さえられるのが6月1日だった、ということです」
■なるほど。もともとイベント出演に向けて復活を考えていたみなさんが、活動期間を1年に限定した理由はなんだったんです?
ヒィロ「1日だけだとアッという間に終わっちゃうし、無期限だと本業と両立するにあたって情熱が続かないかもしれない。そう思った時に、“5人が本気でバンドに挑める期間は1年だね”っていう話になりましたね」
mitsu「ν[NEU]が解散した時もそうだったんですけど、ν[NEU]は自分達がカッコよく思えるかどうか?を大事にしてきたバンドなので、カッコいいと思えるものを全力で届けて、かつてのν[NEU]を越えたかったんですよ。だったら、無理に未来を引き延ばすんじゃなくて、この1年に懸けようと思いました。あと、これだけは言いたいんですけど……バンドを復活させるって言うと“お金目当てなんでしょ?”とか“あの頃みたいにまた稼ぎたいんでしょ?”って言われがちなんですけど、俺らの場合は、ぶっちゃけ今のほうが金銭的に安定してますからね。お金目当てだったら復活しないです」
ヒィロ「ぶっちゃけるなぁ(笑)」
タクミ「でも、本当にそうだよね。もちろん今の生活も大事ですけど、2020年は本業で稼いだお金を全てつぎ込む勢いで、もう一度夢を見たいなと思っています」
■そうなると、Zepp DiverCity公演のVIPチケットが結構高額なことを突っ込まざるを得ないんですが(笑)
ヒィロ「気になりますよね、5万円って(笑)。でも、リハーサルライブに参加できたりとか、絶対に金額に見合ったものをお届けできる自信がありますし、通常のチケットはそんなに高額なわけではないし、やましいことは一切ないですね。チケット代は全て、チケットを買ってくれた方々に最高のものを届けるために使わせてもらうことを約束します」
タクミ「ただ、Zepp DiverCity公演はあくまでもスタート地点だし、ライブタイトルを『アンコール』としたように、ν[NEU]の復活が本当にお客さんに求められているのか?は自分達にもわからないので。もしかしたら、求められていないから活動を早めにやめようって言い出すかもしれないし(笑)想定していた以上に反響が大きければ、自分達ももっと大きなものを返さなきゃ!って思うだろうし、これから状況はどんどん変わっていくと思います。だから、“1年先に観ればいいや!”とか“1年間、どこかで観られたらいいや!”って思っている人もいるかもしれないけど、“今観ないと損するよ!”って言っておきます」
華遊「再始動のコンセプトが<再会>ということで、当時通ってくれていた子達が子供を連れてこられるようにキッズ席も用意しているんですけど、ただ単にあの頃のν[NEU]を再現する気はないし、同窓会では終わらせたくないですからね。もっとワクワクできることをやっていきたいなと思っています」
ЯeI「今から6月まではライブがないから不安になると思うんですけど、会えない時間が愛を育てると思うので、信じて待っていてほしいですね」
■わかりました。でも最後に、Zepp DiverCity公演の先にどんな活動を予定しているのか、1つだけ教えてくれませんか?
mitsu「すごくイジワルなんですけど、秘密ですね(笑)。自分達もワクワクしたいし、お客さんにもワクワクしてほしいから、Zepp DiverCity公演でどんなものを届けるか?とか、その先の展開がどうなるか?は、今後も明かさないと思います。でも、確実に過去や今の自分達を越えるような活動をしていくので、これからのν[NEU]に期待してください。今の俺達、めちゃくちゃ面白いですよ」
interview:斉藤碧
ν[NEU] 公演情報
公演日:2020年6月1日(月)
会場:Zepp DiverCity
時間:開場 18:00 / 開演 19:00
<e+ 2次プレオーダー>
https://eplus.jp/neu/
受付期間:3/18(水) 18:00まで
▼2014年12月29日 渋谷公会堂「エンドロール」Live Full Version公開!